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友人から借金の保証人になって欲しいと頼まれましたが・・・

友人から借金の保証人になって欲しいと頼まれましたが・・・

友人からの借金の保証人の依頼、なかなかお返事にお困りのことと思います。しかし、保証人になるということは非常に重い責任を背負うことです。保証人になるかどうかは慎重に判断してください。
保証人とは、借主が借金を返済できなくなった場合に借主の代わりに借金の返済をする責任を負う人をいいます。           
この保証人には、単なる保証人と連帯保証人があります。借金の保証人の場合は、責任の重い連帯保証人を依頼されることが通常です。では、連帯保証人の重い責任とはどのようなことをいうのでしょうか?
単なる保証人は、貸主が返済できなくなった場合に支払いをする二次的責任です。貸主から支払を請求された場合、まず、先に借主に返済を請求してくださいと言うことができます(催告の抗弁権)。また、(2)借主に財産があるので強制執行が容易であることを証明し、先に借主の財産から差押えてくださいと言うことができます(検索の抗弁権)。
しかし、連帯保証人は、このどちらの権利も言うことができません。また、連帯保証人は、他に保証人がいる場合でも借金全額について支払いをする責任を負うことになります。貸主に支払った後、他の保証人に各自の負担部分について請求できるだけです。つまり、連帯保証人になると借主より先に借金全額の返済を請求され、支払いをしなければ強制執行されてしまうおそれが生じます。
また、保証人となる契約は、貸主と保証人であるあなたとの契約です。友人から保証人になることを依頼されても、友人とあなたとの契約ではありません。ですから、一度保証人になると、保証人を降りるためには貸主の同意が必要となりますが、貸主が同意することは少ないでしょう。一度保証人になってしまったら、その責任から逃れることはとても困難です。
以上のように借金の連帯保証人は、保証人ではありますが、ほとんど借主と同様の重い責任を負います。たとえ、友人が「絶対に迷惑を掛けない」と言ったとしても、免責はされません。保証人になり自分の財産のすべて失うケースも少なくありません。たとえ、友人からの依頼であっても、場合によっては断る勇気も必要かもしれません。
また、友人は既に借金の返済に追われている状況かもしれません。友人の状況をよく聞き、場合によっては、債務整理を勧めるアドバイス等をした方がよいかもしれません。  
もし、なんらかの事情で借金の連帯保証人にならざる得ない場合は、あなたがその借金全額を返済するくらいの覚悟が必要です。そためには、債務の内容等をしっかり把握することが重要です。友人があなたに保証人を頼まなければならない差し迫った事情だけでなく、借金額・返済期日・利息・損害金・貸主の素性等をしっかりと把握してください。契約内容等の把握は、契約書をよく読むことも大事ですが、契約内容について貸主から充分な説明を受けることも大事です。前述のとおり保証契約は貸主と保証人との契約です。友人から話を聞くだけでなく必ず貸主から話を聞くようにしてください。もし、理解・納得できないことがある場合は、司法書士等の専門家にご相談されることをおすすめします。くれぐれも安易に保証人になることはやめましょう。

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