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裁判を申し立てたいが、裁判費用が用意できない!

裁判を申し立てたいが、裁判費用が用意できない!

もしあなたが、金銭トラブルや交通事故に巻き込まれ、相手を訴えたいと思ったとき、どれくらいの裁判費用が必要でしょうか。
裁判を申し立てるときは、請求金額(「訴訟物の価格」といいます。)に応じた印紙代が必要になります。例えば1千万円を請求する場合には5万円、3千万円なら11万円の印紙を訴状に貼らなくてはなりません。これは、裁判を起こすための手数料として国に納めるもので、これ以外にも郵券(切手)をあらかじめ用意する必要があります。また、訴える相手の資産状況も考慮し、裁判で争っているうちにその財産が流出してしまう恐れがあるような場合には、相手方財産の仮差押さえを申し立てる必要もあるでしょう。そのような場合にはさらに保証金も用意しなければなりません。
以上は、たとえ自分で裁判手続きをしても必要なものですが、さらに、自分では手続きができないので専門家である司法書士や弁護士に依頼する場合には、その報酬も必要となります。報酬額は事件の内容により金額が変わりますが、依頼の時点で着手金が必要とされることもあります。
このように計算してみると、裁判を起こすにも、請求金額によってはある程度まとまったお金を用意しなければならないこともあるようです。だからと言って、自分の主張は正しいから・・・と、裁判ではなく、無理やりに相手からお金を取ろうとすると、今度は自分が犯罪者となってしまいます。自力救済は、法治国家である我が国では認められません。
それではお金のない人は、裁判を起こすことはできないのでしょうか。
我が国の憲法32条には「何人も裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。」と定められており、平等に国民が権利の実現をできるように規定されています。そこで、公的な資金で、自分では裁判の費用を支払うことが困難な人のために費用の立替等をおこなう「法律扶助」という制度が設けられています。財団法人法律扶助協会(以下「扶助協会」といいます。)という公益法人があり、ここで「法律相談」「弁護士や司法書士の紹介」「裁判費用の立替」といった援助を受けることができます(なお、今年秋には、新しく設立された日本司法支援センターにその業務が引継がれることになっています)。
この「法律扶助制度」によって立替えられる裁判費用とは、印紙代などの実費の他に、司法書士や弁護士の着手金、報酬金をも含みますが、援助を受けるためには、次の条件を満たすことが必要です。
1.自分で費用が負担できないこと
・・・例えば東京の場合、「単身者で月収20万円以下」等の資力基準があります。ただし、家賃、住宅ローン、医療費の出費などは考慮されます。
2.勝訴の見込みがないとはいえないこと。
また、立替金は原則として返還しなければなりません(ただし、返済が猶予・免除されることがあります)。
資力基準については、事件の内容によって異なる場合もありますので、詳細はお近くの司法書士会や扶助協会へお問い合わせ下さい。
また、資力制限で扶助協会の援助を受けられない場合であっても、報酬の支払いは分割払いを認めてくれる司法書士や弁護士がいますので、遠慮なく相談してください。

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