トップページ > 司法書士会の活動

法律相談Q&A


お問い合わせは

  • 熊本県司法書士会
  • TEL.096-364-2889

離婚に伴う養育費が心配

離婚に伴う養育費が心配

近年結婚しない男女が増加していることがマスコミ等において報道されていますが、またその一方で、成田離婚や熟年離婚に代表されるように、離婚の件数の増加も同じように    報道されています。結婚の件数が減少し、離婚の件数が増加していること、すなわち家族の減少を意味する数字として複雑な心境になります。
 離婚を決意した場合には、様々な判断が求められますが、とりわけ未成年の子どもがいる場合、養育監護についてが大きな問題となります。
 子どもを育てるには、お金が必要です。大学を卒業するまでには、約3000万円位費用がかかるとの調査もあり、養育費については充分な話し合いのもと定めることが必要になってきます。
 養育費とは未成熟な子どもが、一般的に独立自活できるまでに必要とされる費用です。
具体的には、子どもにかかるすべての費用をそれぞれの収入や生活水準に応じて分担することであり、両親双方の所得の比較と子どもの年齢など様々な要素によって判断することになるので、画一的な基準はありません。もっとも、現実の例としては、15歳〜19歳の子どもが1人で、父親の年収が約550万円、母親が養育する場合、月額4万円〜6万円位が最も多いケースである様です。
 では、当事者間において養育費について任意の取り決めがなされたとして、それでも、いつのまにか支払いが滞ることがあります。
この場合、まずは電話や手紙をもって催促をすることになりますが、それで実現するのが難しいこともあります。その場合、家庭裁判所に養育費請求の調停を申し立てますが、これはすでに養育費について約束されていることから比較的成立しやすく、また不調に終わっても審判で決定されます。このように支払いが裁判所による手続になった場合、まず最初は「履行勧告」を行います。これは裁判所が相手に連絡をとり、履行するよう勧告する手続であり、相当数がこれで履行されることになります。
 しかし、それでも支払わない場合には強制執行を行うことになります。ちなみに相手方がサラリーマンの場合、給与を差し押さえるのが一番確実な方法です。
 なお、これまでは過去に不払いになった分しか強制執行できませんでしたが、平成16年の改正により1回申立てをすれば、将来にわたっても支払いを受けることが可能となり、また支払い金額もこれまでは給与の4分の1まででしたが、これからは2分の1まで可能となりました。 
 また、このような強制執行を実現するためには裁判所の調停審判等が必要ですが、これとは別に話し合いで養育費を定めた場合でもその内容を公正証書(強制執行受諾約款)として作成した場合、不払いが生ずれば直ちに強制執行の手続に入れます。
 なお、離婚後実父母の双方がそれぞれ再婚し、再婚相手と子が養子縁組した場合に、実父から事情変更を理由に養育費の減額請求が認められた審判例がありますが、子どもは離婚しても子どもであることに変わりはなく、夫婦間の葛藤等とは分けて冷静に対処したいものです。また、養育費等約束した金銭が支払われない場合などは、司法書士にご相談下さい。

熊本県司法書士会 〒862-0971 熊本市中央区大江4丁目4−34
tel 096-364-2889 fax 096-363-1359