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交通事故の相手方(相手方保険会社)が提示した過失割合に納得がいかない!

交通事故の相手方(相手方保険会社)が提示した過失割合に納得がいかない!

相手方も事故状況を分析したうえで過失割合を提示しているのでしょうから、あなたが主張したい事実を整理し、その事実を記憶だけでなく、証明できるような証拠も整理してみましょう。
その上で、まず話し合いでの解決を図ってみましょう。あなたの主張する事実とそれを裏付ける証拠から、相手方が譲歩を示し、任意の解決ができるのであれば「和解」が可能でしょう。その際、後で紛争をぶり返さないために、「和解書」等の書面を作成しておきましょう。しかし、任意での交渉、話し合いがうまくいかない場合は、裁判所での解決を検討しなければならないでしょう。交通事故での損害が物損のみである場合は、損害賠償額も140万円以下である場合が大半でしょうから、簡易裁判所での手続が可能です。簡易裁判所での手続であれば、費用も時間も多くを費やすことを回避できると思います。
簡易裁判所での手続で、交通事故の過失割合の争いによく利用されるのが、「和解」手続の一環である「民事調停」という手続です。冒頭であなたの主張を裏付ける証拠を整理してみることをお薦めしましたが、自動車のキズのつき方やへこみの程度、道路に残ったタイヤ跡の分かる写真があれば証拠として提示し、あなたの主張を裏付けます。調停では、調停委員が、申立人であるあなたと相手方の主張を聴き取り、証拠も第三者の視点で客観的に分析したうえで、過去の裁判例に基づいて過失割合を提示することでしょう。ですから、相手方から一方的に提示された過失割合で納得がいなかなった場合でも、譲歩できる点が見出され、解決への可能性が高くなります。
さて、ここで「過失割合」ということについて簡単に説明しておきたいと思います。交通事故の相談を受けると、相談者は、過失割合が相手方よりも大きい場合、「この事故は、私が悪いのですか?」と、疑問を示されます。しかし、「過失割合」というのは注意義務違反の割合ですから、過失の割合が問題になるということは、お互いに注意義務違反があったということなのです。「過失割合」は、事故当事者双方の過失を相殺して割合を出し、損害賠償の算定基準とする手法ですから、良い悪いではなく、いわば、共に注意を欠いていたのだと考えて下さい。ですから、「過失割合」にばかり拘泥せず、あなたの損害金がいくらになるのか、という視点からも譲歩案を検討してみることも必要であると思います。
では、任意の話し合いや調停での「和解」解決ができなかった場合には、「訴訟」手続も検討しなければなりません。損害額が60万円未満のであれば、簡易・迅速な「少額訴訟」も選択できます。「訴訟」手続を採る場合には、あなたの主張立証すべき事実をより明確に整理する必要があります。
最後に、自動車を運転する時は、注意義務を充分に果たし、安全運転を常に心がけハンドルを握ることが一番です。しかし、交通事故を起こしてしまった限りは、損害賠償という民事上の解決が必要となります。解決を書面化し証とすべき場合、損害賠償額算定基準である過失割合に疑問が払拭できない場合、あなたの主張が過去の裁判例に照らし適切であるのか、あなたはどんな事実を証明すべきなのか、さらに、主張を裏付ける証拠が充分なのか、検討を要します。まずは、司法書士にご相談下さい。

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