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走ってきた自転車とぶつかりけがをした。

走ってきた自転車とぶつかりけがをした。

近年、自転車の性能が向上するとともに自転車事故は増加しています。自動車と違い運転免許証もいらず、子供から高齢者まで誰でも手軽に乗ることが出来る自転車ですが、道路交通法の規制をうけ、夜間の無燈火走行や、飲酒走行をした場合などは、罰則の適用もあります。走ってきた自転車とぶつかりけがをした、または死亡した場合、加害者は大きくわけて刑事責任と民事責任を負います。まず刑事責任ですが、原則として、過失傷害罪、過失致死罪が成立します。また、例外として加害者に重大な過失があった場合には、重過失致死傷罪(五年以下の懲役または、禁錮)が適用されることもあります。次に民事責任としては、不法行為による損害賠償責任と、財産以外の損害賠償責任を負います。具体的には財産的損害として、けがの治療費や付添費(家族も含む)交通費、入院などにより働けなくなった場合の休業補償、精神的損害として、負傷や後遺症に対する慰謝料などが挙げられます。
事故による損害賠償は、大部分が示談交渉(当事者同士の話合い)で解決しています。損害賠償額の算定には、絶対的な基準はありませんが、運用基準を出している本もあります。また、信号無視や飛出しなど被害者にも過失があれば、過失の割合に応じて賠償額も減少するのが一般的です。結局、両当事者が納得すれば示談は成立しますが、一度成立すると後で覆すことは難しいので、慎重に交渉することが大切です。示談成立後は直ちに書面を作成します。示談書は公正証書で作成しておくと、相手方が支払義務を履行しない場合、裁判手続きをしなくても直ちに強制執行の手続きが出来る場合もあるので便利です。なお、書面作成の際には、いつ、誰が誰に、どのような方法で支払うのか、賠償金額とその具体的な項目(医療費か慰謝料かなど)も明確に記載することが、後日の紛争予防になります。当事者間の話合いだけでは解決できない時は民事調停などの方法もありますので、お早めに司法書士などの専門家に相談されることをお勧めします。

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