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退職金を払ってくれない。退職前の残業代も支払ってくれない。

退職金を払ってくれない。退職前の残業代も支払ってくれない。

まず、就業規則等に退職金規定などの根拠がなければ退職金は発生しません。就業規則等を確認しましょう。なお、退職金規定がない場合でも、これまでの退職者には退職金が支払われていた場合などには慣行により退職金が認められる可能性もあります。
次に、退職が労働者・会社いずれの都合によるものかを確認しましょう。一般的に退職が自己都合の場合には、退職金の額が会社都合の場合よりも少額になることが多いようです。しかし、退職が自己都合か会社都合かは総合的に判断されます。違法な業務命令を受けてこれに従わずやむを得ずに退職した場合などは会社都合による退職と判断される可能性が高いと言えるでしょう。
 なお、退職がリストラ(整理解雇)による場合には、会社は少なくとも30日前までに予告するか、30日分以上の賃金を解雇予告手当として支払わなければなりません。何の落ち度もないのに「明日から来なくてもいいよ」と言われたような場合には、あわせて解雇予告手当の請求をすることもできます。
 退職金とともに退職前のサービス残業代の請求をするケースも多く見られます。サービス残業とは、法定労働時間外の労働に対し、割増を含んだ賃金を支払わないことを指します。法定労働時間とは、1週間につき40時間、1日につき8時間を指し、これを超える時間の労働に対しては割増賃金が生じます。まずは、法定時間外労働の証拠としてタイムカードなどの記録を、そのようなものがない場合には、予定帳等の記録を保管しておきましょう。
なお、労働を管理または監督する立場の者(「管理監督者」と言います)には時間外労働の規定の適用がなく、原則として残業代がありません。しかし、「部長」「工場長」などの肩書きがあるから必ず管理監督者というわけではなく、実態で判断されます。従って、「〜長」と呼ばれる人が必ずしも管理監督者となるわけではありません。
 司法書士に相談するほか、近年、サービス残業等に対しては厳しい姿勢を見せている労働基準監督署にも相談してみることをお薦めします。

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